2012年4月18日
鳩山民主党政権が出現して以来日米関係は漂流している。これをいかに安定、強化させるかに日本の国益がかかっている。
日米同盟強化の方策は、すでに、西暦2000年のアーミテージ・ナイ報告に書いてある。2000年の大統領選挙は、マイアミでなかなか決着がつかなかった選挙であり、共和、民主いずれの党が政権をとるか全く分からない中で行われた超党派の提言であって、その後も長く米国務省の指針となっていた。
<<日米関係を英米関係のように>>
長文の報告であるが、大事な点は二つである。まず長期的な目標は日米関係を英米関係と同じようにすることであり、そのための具体策としては日本が集団的自衛権の行使を認めることである。
日本にとって日米同盟が必要なことはいうまでもない。国際政治の荒波に初めて直面した開国以来1世紀半、島国日本の安全にとって、七つの海を支配してきたアングロ・アメリカン世界との良好な関係を保つことが日本の安全と経済にとって死活的利益であった。
現に日本が孤立して破滅の道を歩んだ満州事変、日独伊3国同盟、真珠案から敗戦までの15年間という例外を除いて、その前の70年余り、そして敗戦後現在に至る70年近くは、日本は、アングロ・アメリカン世界との関係が良好かあるいは同盟関係であり、その間、日本は安全と自由と繁栄を享受していた。
<<米国とユーラシア大陸の関係>>
アングロ・アメリカンの世界覇権が続く限り、日米同盟は日本の安全と繁栄にとって不可欠である。ここで従来懸念されているのは、日本にとって日米同盟は不可欠であるが、米国が同じように考えているかどうかということである。
その答えは、アーミテージ・ナイ報告が出している通りである。
米国は大陸国家であるが、その最大の問題はユーラシア大陸との関係をどうするかということである。ユーラシア大陸には、中国、ロシア、インドだけでなく、ドイツ、フランスなど、それぞれ経済的にオータルキック(自給自足可能)であり、政治的にも米国の思うままにならない国々がある。
米国にとって最も望ましい形は、大西洋をはさんで英国、太平洋をはさんで日本と言う確固たる同盟国があって、そのうえでユーラシア大陸をバランス・オブ・パワーで扱うことである。もし日米同盟が有効に機能し、その役割を果たせば、米国にとっても死活的重要性があることになる。
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